唐突だが、前世について考えたことはおありだろうか。
……最初に断っておくが、「今、幸せですか?」と玄関先でにこやかに笑う系宗教には属していない。
むしろオタクという名の狂信者なので、他の宗教にかまけている暇がないといった方が正しいか。
中学一年生から背負った十字架は墓場まで持っていくつもりである。
大した宗教観も持ち合わせていない私だが、前世についてだけは割と興味をもっている。
それが、今回書く夢たちである。
何度か、起きると変な気分になる夢がある。寂しいような幸せなような、懐かしいような。
このモヤモヤについてあれこれ調べていた時に見つけたのが、前世という言葉だった。
正直、若干怖くなってきている。
その夢の内容が段々具体的になっていくし、見る間隔が徐々に近くなっているからだ。
他の人にこれらの夢について話したことはない。
言えば確実に頭がイッてると思われるからだ。ネットの大海に流せば多少なりとも誤魔化せるのではないか。そう思った結果である。
今流行りの転生系とはいかないが、怖いが自分の前の人生があるとしたら少しは知りたい。
男だったのか、女だったのか。どんな服だったか。
どんな人生だったか。
さて、今回は夢から前世について考えた話である。
最初の「奇妙」な夢は数年前に見た。
ものすごい青空だった。
目の前には男性がいた。
視点は主観と俯瞰を交互に切り替わっていて、意識も夢の中の私と、起床時に近い私とがスイッチしているようだった。
逆光のように顔は見えないのに「キレイな人だな」と思う人に「いこう」と言われて手を握られる夢だった。
最初は「お迎え」の夢だと思った。
こんな美人にお迎えに来てもらえるなら、死ぬのも悪くないなあ、と夢の中の私は呑気していた。
でも夢の中の私は「行けない」と言って断った。
こんなイケメンと手をつなぐチャンス無いのに何反故にしているんだ自分は!!!!と歯噛みしたが、夢の中の私は「行けない」と頑なに断った。
目の前の人は残念そうな顔をしたのがわかった。
次に見たのは、二年ほど前だった。
当時寝つきが悪くて、リラックス目的で瞑想動画を巡回していた時だった。
前世療法の動画が一番寝つきが良くなるので、いつものようにそれを流しながら寝ていた。
音や声を聞きながらぼんやりしていると、ふと、頭に映像がよぎった。
着物を着ている。
自分は、男性だった。何の根拠もないのに、江戸時代というのがわかった。
地域の子供に対して塾のようなものを開いていた。
顔はわからなかったけど、すごく可愛い奥さんがいて、赤ちゃんがいた。
勉強したいことがあったけれど、それが許されたものではなく、満足にできなかったことを悔やんでいた。
一瞬でそれがバーーッと流れてぎょっとして飛び起きた。
多分夢うつつという状態だったのかもしれないが、やけに生々しくこの夢モドキが一番前世というものを考え始めたきっかけになったと思う。
次に見たのは、1年ほど前である。
ヨーロッパのような国にいた。多分ドイツとかその辺りの小さなお城が建っているような国だった。
そんなお城の櫓のような塔を登っていた。階段を登る足元は長いスカートで覆われていて、靴は見えない。でもスカートはくすんでいて、あまり良いものには思えなかった。
塔のてっぺんに出た。
日本の城の天守閣のように外が良く見える。ただ、日本の風景でない、広い草原と森のような木々が見える。空は夕暮れ時で、周囲には人がいない……と見まわしたら誰かいた。
逆光になっていて顔は見えない。でも、骨格から男性だとわかった。
髪が長い。バッハとか、教科書で見たことがあるような、そんな長髪だった。
服装には装飾がいっぱいついていて、夕暮れとあいまって金色にピカピカしている。
そんな彼の隣に立った。何か話した気はする。
ただ、相手の顔は見えないし、あまり言葉は交わさなかったのに、幸せだった。
次に見たのは半年程前である。
国はわからない。ただ、家の中にいるようだ。明るい。
でもそれは日の光ではなくて、ロウソクか電気か、室内の明かりだった。
自分の視点が低い。たとえるなら、机に顎を載せているような視界だ。
そこに誰かが同じように台に顔を載せている――男の子だ。
くりくりした目をしていて、黒髪の男の子だ。でも、その顔立ちは日本のものではなかった。
5,6歳くらいだろうか。視点を合わせてこっちをじっと見ている。
その子の目からポロ、と涙がこぼれた。
エッ!!泣かないで! 大丈夫!? と頭を撫でてあげたかったが、体が動かない。
目の前の子は、ポロポロ泣いている。泣きすぎて鼻が赤くなっている。
何で泣いてるんだろう、慰めてあげないと……と思った矢先に目が覚めた。
そして今朝の夢である。
私は、「恋人」と一緒にいた。
……ここで明記しておくが、現在私に恋人はいない。フリーである。場所はわからない。大きな家の前にいる。一軒家である。
ただ、隣にいる男性は「恋人」だと認識していた。しかも、結婚する約束をしていることまでわかった。
男性は誰かと口論をしていた。何を話しているかわからない。
ただ、激しい口調でやり取りをしていた。相手は彼の父親らしかった。
止めなきゃ、と思ったそんな時、彼が自分の手を引いた。
そして、そのまま手を引かれてその場を後にした。
夢の中の私は足が悪いのか、靴が変なのか、ひどく歩きづらかった。モタモタ歩いている自分の手を、彼はしっかり引いてくれた。
「逃げよう」
そう言われた。
それはまずいことだと思った。不安になった私に、彼が安心させるように笑ってくれたのが何故か嬉しくて……目が覚めた。
……以上が、これまで見た、私の奇妙な夢のすべてである。
これらがもし前世だというのであれば、「私」は相当人生をリセマラしているようである。
これらの夢から考えて、前世の「私」についていくつか共通項が見えた。
・社会的地位が低い(or平均的)
・格差婚とか駆け落ちとか、割と恋愛において苦労している
・恋人が超好き
相当ハードモードで人生をやっているようである。ゲー廃も真っ青だ。
恋人や配偶者の顔が(見えないのに)軒並みSSR級なのもリセマラしてるんだろうか。
今世もまさかハードモードなのだろうか。
ちなみに今世も恋愛についてはベリーハードモードである。
つらい。
これが前世か否か問わず、今回食堂の脳内をぶっちゃけ過ぎてしまい、フォロワーが減るのも時間の問題のような気がしてきた。
頭がイッてると思われても仕方ないとも思う。
ただ、死期が近くなってるんじゃないかとビビり始めているのも事実なので、肉を切らせて骨を断つつもりで供養したいと思う。
これからも仲良くしてください(五体投地)。
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